平成二十二年東京都議会会議録第九号〔速報版〕

より、青少年健全育成条例関連部分を抜粋し転載した物です。

 

〇二十八番【淺野克彦君】

さきの定例会において、青少年健全育成条例改正案が継続審議となった際に、都の職員であれば切腹だという一部報道がありました。これは、都が議会に提案した案件は完璧であり、そのまま通らなければならないという認識が当たり前になっているということだと思います。しかし、人にはミスがあるものですし、違った視点で見れば、もっといい案が見つかる場合もあるでしょう。その可能性を否定するような認識は非常に危険であります。行政の無謬性といいますか、修正や、場合によっては撤回するなどの柔軟な対応が、むしろ当たり前であることの方が、現代のような価値観の多様化した時点においては歓迎されるのではないでしょうか。今後、執行部も議会も、そしてマスメディア、一般都民の皆様も含めて、ぜひそういう考えも頭の隅に置いていただければと思っております。

 

(中略)

 

しかしながら、昨今、青少年健全育成条例や、市場移転の問題に関連しまして、審議会などの委員の方々が、ネット上でいわれのない中傷にさらされている事態が生じてしまいました。
 私は、ネットを利用した個人の中傷は絶対にあってはならないと考えております。ただ、今回のネット上の書き込みを見ますと、委員の選任にバランスを欠いていたという主張がなされており、またそのような協議会の出した答申内容は信頼がおけないという論調になっておりました。もちろん選任された委員の方々が自由な意見表明を行うことは当然であります。
 今回の問題については、都が委員選任の公平性について十分な説明をしないことが、結果としてネット上での個人攻撃にまでつながってしまったものだと考えます。
 協議会や審議会の委員については、客観的に見て公正な議論がなされていたことを担保するためにも、偏りのない公正な選任がなされるべきであると考えております。価値観が多様化する現代、審議会などの委員の選任に当たっても、今まで以上に、透明性、客観性を確保することが求められております。